PRIME による日本語入力モードのことを, PRIME モードと呼びます. PRIME モードの開始と終了は, "\C-\\" ([Ctrl] キーを押しながら [\] キー) に バインドされています.
PRIME モードが ON になると, カーソルの色がピンクになるのに加えて モードラインに "[PRIME]" と表示されます.
"\C-\\" を押すと設定によってはミニバッファに "Input Method: " という プロンプトが現れるかもしれません. ここで "japanese-prime" と入力すれば, PRIME モードに移行します. また, 設定によっては "\C-\\" を押すと PRIME 以外のインプットメソッドに なってしまうかもしれません. その場合は "\C-u \C-\\" と実行してください. ミニバッファに "Input Method: " というプロンプトが現れますので, 上記と 同様 "japanese-prime" と入力してください.
PRIME モードを ON の時に文字入力をすると, 下の画面のように, 入力文字が "[]" に囲まれて表示され, その下に変換候補が表示されます. 文字を続けて入力していくと, 変換候補も更新されていきます.
Space キーを押すと候補が順次選択されていきます. Enter キーで "[]" 内の候補が確定されます. また, 候補の前の数字を入力すると, その数字に対応する候補が確定されます.
入力した文字は, [Back Space] キーなどで編集することができます. 編集に合わせて予測候補も変化していきます. 利用可能なキー操作は 以下の通りです. 特殊はキー操作は特になく Emacs での設定をそのまま引き継いでいます.
PRIME モードには, 大きく分けて下記の 3つの状態 (サブモード) があります. これらのサブモードを把握することで, 応用操作での説明が理解しやすくなります.
PRIME モードを ON にした時の最初の状態です. 見た目的にはカーソルの色が変わるだけです. 文字入力をすると「入力状態」に遷移しますが, それ以外のコピーアンドペーストなどの文書編集は PRIME モードが OFF の場合と同様に行えます.
文字入力を始めると「入力状態」になります. "[]" 内に入力した文字列が表示され, その下には予測候補が表示されます. Space キーで候補の変換を行うと「変換状態」へ遷移します.
予測候補を選択するモードです. 「入力状態」から遷移しても表示は変わりませんが, 入力文字列の編集から文字列の変換へと動作が変わります.
候補を選択すると, また「待機状態」へ戻ります.
基本的な考えとしては Emacs の標準と同じく, "\C-g" がキャンセルで "\C-/" がアンドゥです. キャンセルとアンドゥは以下のように働きます.
単語登録には 3 つの方法があります. しかし, ほとんどの場面で最初の方法を使うことになるでしょう.
1 つ目は, 入力状態か変換状態の時に "\C-w" (prime-register-word) を 実行する方法です. 変換候補の中に目的の単語がないことが判明したら, そのまま単語登録に移行することが可能です.
2 つ目は, 最後の変換候補から更に変換を行おうとすると, 単語登録に移行します. SKK の単語登録方法と同じ機能です.
3 つ目は, 待機状態の時 "\C-cw" (prime-register) を実行する方法です. コマンドを実行後, ミニバッファに登録単語とその読みを入力して登録します. リージョンが指定されている場合は, リージョン内の文字列を登録単語として 扱います.
変換を何度か繰り返すと, 候補が一覧表示されます. 一覧表示の状態では, 候補の選択をカーソルの上下左右を用いて 行うことができます.
また, "\C-l" でいつでも候補を一覧表示にすることが可能です.
同音語がたくさんある場合に, 別の読み方を指示することで候補の絞り込みを 行います. 例えば「か」という読みで「火」と入力したい場合, 「か」に加えて 別の読み方である「ひ」を指示して, 候補の絞り込みを行います.
候補の絞り込みは, 最初の読みを入力した後で "\C-s" によって行います. 上記の例の場合,
となります. その他にも「さい * きわ」や「ひろゆき * しあわせ」などでも 絞り込み可能です.
リージョンが有効な状態で PRIME モードを ON にすると, リージョン内の文字列の再変換を行います. ただし, 再変換可能な文字列は ひらがな, カタカナと英数字のみで, 現時点では漢字に対応していません.
"\C-u" の後に prime-mode コマンドを実行すると (つまり "\C-u\C-\\"), 直前の単語を再変換します. PRIME モードの状態に変化はなく, ON の場合なら ON のまま再変換し, OFF の場合なら ON にした後で再変換します.
バージョン 1.3.0 以降では, この機能を有効にするために, PRIME モードの開始・終了向けのカスタマイズ を行う必要があります.
PRIME for Emacs では, 大文字と小文字は区別して扱われます. 大文字による入力は, 「Enter による確定」 + 「文字入力」として扱われます. 例えば, 「いい」と入力された入力状態の場合で小文字の [t] を入力すると 「いいt」と続きます. 対して大文字の [T] を入力すると, 「いい」まではこの時点で確定されて, 「T」からの新しい入力となります.
現時点では「いいてんき」などの連文節を一度に変換することはできません. しかし, 「いいてんき」を「いい」と「てんき」に分割して, 逐次変換することは 可能です.
カーソルを「いい」の後ろに合わせて [Enter] キーを押すと, 続く「てんき」が保留されて, まず「いい」だけの変換になります. その変換後, 「てんき」が入力文字列として扱われますので続けて変換します.
カタカナ変換, ひらがな変換, アルファベット変換は以下の通りです.
入力状態もしくは変換状態では, "\C-u" (prime-enum-mode) により 数字による候補確定を行うかどうかの ON/OFF を制御できます. "\C-u" を繰り返すことによって, 下の 2つの絵のように, 状態が切り替わります.
例えば "mp3" と入力したい場合は, "mp" と入力してから, "\C-u" で数字による 確定を OFF にしてから "3" と入力します. 少々面倒な方法になっていますので, 今後なんとかしたいと考えています.
また, "100" のように最初の文字から数字を入力した場合は, 数字による確定は 自動的に OFF になります.
いわゆる全角スペースを入力するには "\M-[space]" (prime-fund-space-alternative) で入力できます.
'「' と '」' のような括弧のペアの入力は "\M-[" (prime-fund-insparens-insert-parens) で可能です. 繰り返し "\M-[" を入力すると, 括弧が 「」→『』→【】... と変化していきます. また "\M-]" で 「」←『』←【】 と逆順に変化していきます.
句読点を切り替えるには, prime-style-kutouten-set コマンドで変更可能です.