一、否定形「ない」が「なひ」と變換される例をなるべく少なくした。
(例)「区別がつかない」→×「區別がつかなひ」(第一版)
○「區別がつかない」(第二版)一、「いた」にまつわる變換を強化した。從つて、次のやうな文章も
正しく變換されるやうになつた。(例)「足をいためて傷ついたいたちがいた。」
「いたずらをやめていただきました。」
×「足をゐためて傷つゐたゐたちがひた。」(第一版)
○「足をいためて傷ついたいたちがいた。」(第二版)
×「ゐたずらをやめてゐただきました。」(第一版)
○「いたづらをやめていただきました。」(第二版)一、單漢字の登録漏れを補つた。
(例) 「弁」→×「弁」(第一版)
「弁」→○「辯」(第二版)一、カタカナの變換を強化した。但し現在も變換仕樣を摸索中である。
(例)「ウイスキー」→「ウヰスキー」
「セーター」→「スヱーター」一、國語審議會による當用漢字表によつて、特に新聞紙上で行はれ、
その後廣まるにいたつた、いはゆる「置き換え語」を、編者の把
握する限りにおいて舊に復するやうに變換させる仕樣とした。こ
の件については拙頁「拔本的」(http://pweb.ar.aix.or.jp/~bap/)の
「丸谷君の遺言」を參照のこと。(例) 「略奪」→「掠奪」、「慰謝料」→「慰藉料」
付言
なほ、以下の假名遣ひは誤りである。第一版以來、「丸谷君」は
一貫して、この種の俗流舊假名遣ひを排すべく努めてゐる。一、「如何」を意味する「どう」を「だう」とするのは誤りである。
(例)「どうやら」 →×「だうやら」
「どうかお許し下さい」→×「だうかお許し下さい」*ただし、「斯う」は「かう」と變換するのが正しい。
(例)「こうなつたら戦争だ」→○「かうなつたら戰爭だ」一、「ございます」を「ござゐます」とするのは誤り。
「御座居ます」といふ當て字が、そもそも誤りである。
以上、平成八年十一月四日 月曜日
どん珍竒大將軍(bap)
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(「拔本的」http://pweb.ar.aix.or.jp/~bap/)
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