3. 印刷設定の方法

ここでは、BJフィルタをインストール後、実際にどのように印刷を行うかを説明します。

3.1 印刷の準備(xhost)

BJフィルタをインストールした後は、Linuxを起動するたびに、Kterm等のターミナルソフトを起動して次の操作をしてください。

[root@zzz /yyyy]# xhost localhost
localhost being added to access control listと表示されます。

あるいは、起動時に自動的にコマンドを実行するよう、次のような指定をしておくと便利です。

注意: .Xclientsの記述は、ディストリビューションやバージョンによって異なることがあります。 必ず、お使いのディストリビューションに適した記述をお使いください。

【ローカルで印刷する場合】

$HOMEの.Xclientsに次の記述を追加します。もし、.Xclientsがなければ作成してください。

xhost localhost
exec /etc/X11/xinit/Xclients

印刷の準備はこれで完了です。

印刷の操作には、アプリケーションから印刷する方法とコマンドラインから印刷する方法の2種類があります。

3.2 アプリケーションからの印刷

Linuxの多くのアプリケーションは、印刷機能としてPostScript(以下psと略します)の出力をサポートしています。

このタイプのアプリケーションでは、psの出力をBJフィルタに渡すため、印刷コマンドとして次のように指定してください。

【NetscapeにBJ F850を指定する例】

印刷コマンド:lpr -Pbjf850ps

3.3 コマンドラインからの印刷

アプリケーションからの印刷とは別に、Kterm等のターミナルソフトのコマンドラインから印刷を行う方法があります。

コマンドラインからの印刷には、次の2つのモードがあります。

・GUIモード
・コマンドラインモード

3.3.1 GUIモード

GUIモードでは、Kterm等のターミナルソフトのコマンドラインから印刷を実行すると、BJフィルタの各種パラメータを設定する画面が表示されます。パラメータを設定後、OKをクリックすると、指定したパラメータにしたがって印刷が行われます。

GUIモードの書式は次のとおりです。

bjfilter --gui --model modelname [filename]
または
bjfilter --gui --M modelname [filename]

ここで、modelnameは、プリンタのモデル名を指定するパラメータで、次のいずれか1つを指定します。省略はできません。

・BJF850
・BJF860
・BJF870
・BJF360
・BJS600
・BJS630
・BJS6300

また、filenameは、印刷するファイル名を指定するパラメータです。 印刷できるファイルの形式は、TIFF、BMP、PPMに限られます。

注意: TIFF、BMP、PPMの中にも印刷できるものとできないものがあります。

TIFF:LZW圧縮およびCCITT勧告のFAX形式で圧縮されたファイルは
   印刷できません。
BMP:24ビット形式以外のビットマップは印刷できません。
PPM:画像データがバイナリ形式で保存されているPPMファイル以外は
   印刷できません。

印刷できないファイル形式が指定された場合、BJフィルタは、Can not open this compressed imageというメッセージを表示して処理を終了します。

注意: TIFFおよびPPMとBMPでは、印刷の方法が異なります。TIFFおよびPPMの場合、画像の上から下に順番に印刷されます。BMPの場合、下から上に順番に印刷されます。したがって、TIFFおよびPPMとBMPでは、排紙されるときの上下関係が逆になります。

TIFF、BMP、PPMの画像データの場合には、printcapで定義したbjxxxxrawを指定してください。

filenameを省略した場合、BJフィルタは、データが標準入力から渡されるものとして処理をします。

【sample.bmpをBJF850で印刷する例】

$ bjfilter --gui --model BJF850 sample.bmp | lpr -Pbjf850raw

注意: この方法では、BJフィルタの基本設定シートの各機能の設定はできますが、ユーティリティシートの各機能、およびステータスモニタの起動は利用できません。

rootでログインしているときは、次の書式でも印刷できます。

# bjfilter --gui --model BJF850 sample.bmp > /dev/lp0

注意: この方法では、BJフィルタの基本設定シートの各機能の設定とユーティリティシートの各機能は利用できますが、ステータスモニタは利用できません。

3.3.2 コマンドラインモード

コマンドラインモードでは、 BJフィルタの各種パラメータをコマンドラインで指定するため、設定の画面は表示されず、Kterm等のターミナルソフトのコマンドラインから印刷を実行すると、すぐに印刷が行われます。

コマンドラインモードの書式は、次のとおりです。

bjfilter --model modelname [switches] [filename]
または
bjfilter --M modelname [switches] [filename]

ここで、modelnameは、プリンタのモデル名を指定するパラメータで、次のいずれか1つを指定します。省略はできません。

・BJF850
・BJF860
・BJF870
・BJF360
・BJS600
・BJS630
・BJS6300

switchesでは、BJフィルタの各種パラメータを指定できます。各スイッチの詳細は後で説明します。

スイッチを省略した場合、BJフィルタが内部で持っているデフォルト値が使われます。

注意: 各スイッチに指定できるパラメータは、プリンタのモデルによって異なります。また、スイッチの組み合わせが無効なものがあります。

また、filenameは、印刷するファイル名を指定するパラメータです。印刷できるファイルの形式は、TIFF、BMP、PPMに限られます。

注意: TIFF、BMP、PPMの中にも印刷できるものとできないものがあります。

TIFF:LZW圧縮およびCCITT勧告のFAX形式で圧縮されたファイルは
   印刷できません。
BMP:24ビット形式以外のビットマップは印刷できません。
PPM:画像データがバイナリ形式で保存されているPPMファイル以外は
   印刷できません。

印刷できないファイル形式が指定された場合、BJフィルタは、Can not open this compressed imageというメッセージを表示して処理を終了します。

注意: TIFFおよびPPMとBMPでは、印刷の方法が異なります。TIFFおよびPPMの場合、画像の上から下に順番に印刷されます。BMPの場合、下から上に順番に印刷されます。したがって、TIFFおよびPPMとBMPでは、排紙されるときの上下関係が逆になります。

TIFF、BMP、PPMの画像データの場合には、printcapで定義したbjxxxxrawを指定してください。

filenameを省略した場合、BJフィルタは、データが標準入力から渡されるものとして処理をします。

【sample.bmpをBJF850で印刷する例】

$ bjfilter --model BJF850 --media plain --papersize a4 sample.bmp | lpr -Pbjf850raw

rootでログインしているときは、次の書式でも印刷できます。

# bjfilter --model BJF850 --media plain --papersize a4 sample.bmp > /dev/lp0

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